2026-03-03

“世にも奇妙な” 大血川 4



土地によって

流布が

多種多様なのはなぜか


この流域一帯には、

(先述の桔梗をめぐり)


聯妃の滞在した跡だという

大達原 「塚八幡社」



また同地域

49人の妃を祀った「四十九前の宮」



さらに川を下り


小鹿野町域の「十二御前社」

栃谷村字立石の「御前社」‥‥etc.



上流へ遡るにつれ、

奇妙にも祀られる数が

増えていくは

伝播の跡だろうか



これには中世初期から

修験道、修験比丘尼(女)といった


山岳信仰者らの往来が

盛んだったことから、


説法唱導によるもの

とも考えられる。






このような漂泊者が

秩父山塊の山並の明暗に

みずからの内なる痛みを重ね


屈折し入り組んだ情念を、

伝承に乗せたのではなかろうか。




生はさまよいであり


(誰にもやがていつか訪れる死の日までの)


持続的な抵抗

あるいは、回り道であろう



その循環運動は、

《 dérive 漂流 》である




‥‥‥大血川のように、


東の方(都方面側)から西方を流れる川を


“逆さ川”と云う。







大滝域の逆さ川


このような古戦場のなごり

あるいは、敗亡の命


桔梗の悲劇と将門の勇敢を

称えるに


曰く付きな土地として

霊を慰むに

格好の地であったのかもしれない







2026-02-28

“世にも奇妙な” 大血川 3


大血川と荒川


すなわち、支流と本流が合す地帯



大達原の伝えでは



“往古 平将門 此返に行宮ありて

聯(連)妃 の居たまひし所なるよし”




大達原から大血川谷を望む



九十九神社を

別名 連妃社 という


妙見に通じる


九曜星を棟瓦に刻むは



桔梗の前、他の女や子連れ落人達の



鎮魂のためであろうか。







桔梗伝説も各地に流布しているが



裏切り者か、


宿命の女か


あるいは、神か‥



将門公と桔梗の前



ーーーーーーーーーーーーーーー



秋の七草 うすむらさきの


花の桔梗が ナァソラショ


なぜ足らぬ    城峯昔の物語


(秩父小唄)



ーーーーーーーーーーーーーーー



『武蔵国郡村誌』

は、桔梗塚について記す



村の東方 大血川にあり。



天慶年中平将門反逆の時、


夫人桔梗の前侍女三人と難を此地に避け


将門天誅に伏せしを聞き相共に自死す


土人これを憐み此処に葬りし





この言い伝えの塚は現存するが


掲載は避ける。



だれも此処に


立ち入らないのには


訳がある。




Ce que femme veut, Dieu le veut.



其れ、“祟り”と云う。





2026-02-26

“世にも奇妙な” 大血川 2


平将門伝説は


関東圏の至る所にある



愛妾(桔梗)と


その従者  99人 は

この地に追い込まれ



自刃に果て


7日7晩


川の色が染まった

のだそう


いにしえの重苦に

祈りを捧げる対象は、現存する。



九十九 jiǔ shí jiǔ 99)神社